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流されながら、流れない | 戸田工務店
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流されながら、流れない

少年の頃、世間の価値観にどっぷり浸かっていた私は
「どうせ自分には大工になる道しか許されていないのだ」
と決めつけ、自分で自分の人生を見限ろうとしていました。

それが全くの誤解であることを教えてくれたのは
本や友や仕事を通じて出会った多くの仲間でした。

それ以来、私は
「それが本当に生身の自分が感じていることなのか」
それとも
「世間の尺度に従ってそう思い込んでいるだけなのか」
に敏感になりました。

世間の尺度の中で生きていくことは、ある意味楽です。
けれど、それでは自分の魂は置き去りにされてしまいます。

人間社会に暮らしている以上
時代の流れ、世の中の流れには
誰しも沿っていかなくてはならないでしょう。

しかし流れに身を委ねながらも
どこか凛としたじぶんなりものさしを持っていなくては
誰かを愛すことすらできないと思うのです。

その気持ちを忘れないために
時に私は冬山を歩きます。
すべてをそぎ落とし、曖昧さを許さない冬の山は
私自身を裸にし
埋もれていた野性的な本能を目覚めさせ
究極に大切なことは何かを思い出させてくれるからです。

流されながら、流れない。

細く、厳しいけれど
純白の新雪が降り積もった路を
これからも力強く踏みしめていきたいと思っています。