2020.11.16
「田舎暮らし」「古民家」に想うこと
TODAでは
工務店として顔と同時に
NPO法人奥三河田舎暮らし隊で移住のソフト面を
一般社団法人愛知県古民家再生協会でハード面を
三位一体でサポートする体制を整えているため
昨今の古民家ブームに加え
コロナ禍の影響もあり
最近「田舎に移住したい」という相談を
多くいただきます。
奥三河には、清らかな水を湛えた豊川の川上
その源流となる美しい山と川があり
その山々に囲まれるように
足元を踏みしめて暮らしを調えている
人びとの営みがあります。
奥三河も高齢化に伴い
維持しきれなくなった空き家や農地
山々が増えており
地域自治を維持するためには
若い移住者が増え、活気が出ることが一番と
日々、奥三河移住のお手伝いをさせていただいています。
新型コロナウィルス禍を経験し
便利で豊かな現代の生活の足元が
いかに脆弱か改めて気づいた人々が
都市ではない、田舎の原風景を再評価し
子どもと向き合い、自らの暮らしと向き合い
自ら作り出す暮らしをしたいと
奥三河を求めて来てくださるようになりました。
それは、私たちにとっては追い風で
大変喜ばしいことでもあるのですが
同時に「良いところだけが見えてないかな?」と
心配になることもあります。
移住先の候補となる古民家は
現行の法律が制定されるよりずっと以前に建てられたものも多く
その多くが「既存不適格」
つまり「今の法律には合っていないよ」
と言われてしまうような建物です。
また、古くからの地主さんも多く
畑や田んぼ、多くの場合は山林もついてきます。
その所有や管理も
建物と一緒に手放したいという売主さんがほとんど。
「古民家を購入する」ということは
その事実を一つ一つ受け入れていくことでもあります。
現実的には
住宅ローンが組めない
あるいは、住宅ローンを組むためにあらゆる技が必要。
夏は畑や田んぼの草刈り
自らの土地だけでなく
地域で管理する土地なども
とにかく草刈三昧になるでしょう。
こうして、
私たちの自由で豊かな都市の暮らしは守られています。
全てのルールを受け入れることは難しくても
少しでも現実的に可能な方法を考えていかなくてはいけない。
「こんなはずじゃなかった!」と思っていただきたくないので
そういったネガティブな面も
詳らかにお話しさせていただいています。
ただ、私たちが
「じゃあ無理だね」で諦めてしまっては
地方の荒廃は止まりません。
それでも、それでも
やはり地方の原風景を守りたいと思う私たちは
その中でも現実的な方法を日々模索しています。
「自分には関係のないことだから知らない」でもなく
「大変だから仕方ないよね」でもなく
田舎をずっと守り続けてきてくれた
その地のご先祖様に敬意を払い、
また、現代の暮らしに疑問を抱く若い世代が
新たなパイオニアになっていけるように
その橋渡しをすることが使命と感じています。
コロナ禍ですっかり変わってしまった世界。
一緒に未来の田舎をつくりませんか?
手持ちのカードで出来ることからこつこつと。