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つながっている風景 | 戸田工務店
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つながっている風景

私は母方の実家である岡山県の倉敷でうまれました。(赤い屋根が特徴の倉敷中央病院。TODAと関係の深い関谷さん・モザイク作家の先生の作品もその病院にあり、何だかつながりを感じました。)

学校が長期休みの時は、よく倉敷に里帰りしていたので、そこでの川遊びや蝉取り、土筆取り、海水浴等々、その時の楽しかった経験、感情、会話、あらゆる感覚が風景とともに思い出され、まさに私にとっての原風景がここなんだろうと思います。

実家の家は、平屋で漆喰仕上げ、廊下はきしむ檜床、逆立ちするとバラバラ砂が落ちてくる寿楽壁(よく曾祖母に叱られました)、古い建具には締めるのにコツのいる丁ネジが使われていて、しんしんと冷える朝方は布団から出ておしっこに行くのが大変辛かった記憶があります。もちろんぼっとん便所。

祖母が毎日作っていた、生のケールの葉っぱをジューサーで絞って作る青汁は恐ろしく不味く、ただ翌朝の便通は恐ろしく良かったです。祖父の毎朝の自転車での出勤のお見送り、そして夜の讃美歌は一日の終わりを告げる子守唄でした。

 

TODAでは多くの古民家に携わらせていただく機会があります。その時、どこか懐かしく、心にぐっと惹きつけられるものがあるのは、私自身のどこか深くに染み込んでいるこの感情が甦ってくるからだと思います。

皆様にも郷愁にかられるものがそれぞれあるかと思います。古民家はそういった昔からつながってきている多くの要素を包み込んでいるので、「純粋に好き」という感情が生まれてくるように思うのです。

 

私の家のトイレは倉敷のトイレがそうだったように腰板杉張りにしました。毎日ケールの青汁を飲んでいます。蝉や土筆を見ると必要以上にテンションが上がり、心落ち着けたくなると讃美歌を口ずさみます。みんな今につながっています。