愛知県豊橋市の戸田工務店・社長の思い

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社長の思い 「エピローグ」

プロローグ 一人では生きられない おちこぼれ少年、ミラノをめざす 芸術家たちとの出会い TODAの家をつくる 建築がつなぐもの エピローグ
建築って何?

なぜ戸田さんは、一見建築と関係のないことばかりしているの?とよく訊かれます。尋ねられた私の方はびっくりします。建築と関係のないことなど、してきた覚えはないからです。

建築というのは、何も建物を建てることばかりを意味するのではありません。安心して自分が自分でいられるための居場所をつくること、それが建築だと私は思っています。いくら立派な建物を建てても、そこを取り巻く人的環境や社会環境が整えられていなければ、人が暮らすための建築物を建てたとは言えないでしょう。

だから、田舎暮らしの環境を整えることも、
登り窯で力を合わせて焼き物を焼くことも、
薪ストーブにくべる薪を、皆で山に取りに行くことも、
私にとっては大切な建築の一環です。

そうやって生まれたつながりの中で、私自身もまた居心地よく生きさせてもらっています。

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流されながら、流れない

少年の頃、世間の価値観にどっぷり浸っていた私は、どうせ自分には大工になる道しか許されていないのだと決め付け、自分で自分の人生を見限ろうとしていました。それが全くの誤解であることを教えてくれたのは、本や友や仕事を通じて出会った多くの人々でした。

それ以来、私はそれが本当に生身の自分が感じていることなのか、それとも世間の尺度に従ってそう思い込んでいるだけなのかに、敏感になりました。

世間の尺度の中で生きていくことは、ある意味で楽です。けれどそれでは自分の魂は置き去りにされてしまいます。人間社会に暮らしている以上、時代の流れ、世の中の流れには、誰しも沿っていかなくてはならないでしょう。しかし流れに身を委ねながらも、どこか凛とした自分なりのものさしを持っていなくては、誰かを愛することすらできないと思うのです。

その気持ちを忘れないために、時に私は冬山を歩きます。すべてをそぎ落とし、曖昧さを許さない冬の山は、私自身を裸にし、埋もれていた野生的な本能を目覚めさせ、究極に大切なことは何かを思い出させてくれるからです。

流されながら、流れない。細く、厳しいけれども、純白の新雪が降り積もった道を、力強く踏みしめていきたいと思います。

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