愛知県豊橋市の戸田工務店・社長の思い

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社長の思い 「芸術家たちとの出会い」
プロローグ 一人では生きられない おちこぼれ少年、ミラノをめざす 芸術家たちとの出会い TODAの家をつくる 建築がつなぐもの エピローグ
アトリエ・ギルド

専門学校を卒業した2年後 私は、すぐにYさんとの約束を果たそうとしました。ところが、渡航のために受けたコレラの予防接種がもとで高熱を出し、とうとうシベリア鉄道に乗るのを諦めなくてはならなくなったのです。じつに無念でした。しかし、いつまでもくよくよしているわけにもいきません。それで、豊橋の設計事務所に就職し、腕を磨くことにしました。そこで出会ったのが「アトリエ・ギルド」だったのです。

「アトリエ・ギルド」は、建築家や彫刻家、グラフィックデザイナー、写真家といった人びとが自由に出入りし、芸術についていつも議論をたたかわしている、熱気にあふれたサロンでした。若い私には、目もくらむような刺激です。私はここに通いつめ、ずいぶんかわいがってもらいました。そして、そこで私は「はぎとる建築」という言葉を初めて耳にしたのです。建築というのは普通は「つぎたすもの」です。それを「いろんなものを取り払って、シンプルに行こう」「素材の表情でやろう」というのです。「天井をとりましょう」「壁をとりましょう」「自然素材にしましょう」・・今でこそ、当たり前のようですが、当時は信じられないほど前衛的なことでした。

この時期、私は芸術家たちから、全身全霊でいろいろなことを吸収しようとしていたと思います。

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▲23才 設計事務所で修行中
アメリカで仕事をする
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▲設計を手がけたフロリダの焼肉店

30歳の時、アメリカから仕事の依頼が舞い込みました。ある会社から、派手なパフォーマンスで知られるステーキハウス「ベニハナ」のような、ショー的な焼肉屋さんをしたいということで、店舗設計の依頼がきたのです。

単身アメリカに渡り、打ち合わせをしながら、1ヶ月くらいホテルを貸し切り、滞在して図面を引きました。 半年後、再び現場管理をするために渡米し、無事店舗を完成させました。

この時思ったのは、「これでYさんと一緒になれた」ということです。自分をおちこぼれと信じて疑わなかった私が、Yさんと出会ったことで、「俺にもできるかもしれない」と思い、一生懸命勉強してきた。そして芸術家たちのアトリエに出入りし、ついに海外で仕事までするようになった。「彼はヨーロッパで仕事をしている。でも俺は俺で、アメリカでやり遂げたんだ」。ミラノに行きたくて行きたくて、何度も夢に見た。場所はアメリカだったけれど、思いはかなったのだ―。その時から私は『思いはかならず叶う。かなわないのは、思い方が足りないのだ』と考えるようになりました。

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▲アメリカにて、ホテルを貸切って仕事場に
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