近年、日本では公共施設の木造化が少しずつ進められるようになり、地場産の木材や自然素材を使った小学校や地域の伝統的な建築様式を取り入れた交流センターなどが、建設されはじめました。
そうした流れを受けて、TODAでも2009年頃から県内の福祉施設のオーナーから、相談を受けることが多くなりました。ところが、打合せの場に臨んだTODAの社長・戸田由信は驚くべき事実に直面します。
それは、当事者である障害者やお年寄りの気持ちに寄り添っているとは言い難い、施設建設のあり方でした。戸田の言葉を引用してみましょう。
福祉施設の建設を巡って知った事実は、戸田にとって大変ショックなものでした。
自分だっていつ障害者になるかわからない。幸いにしてケガや病気をしなくても、年をとれば必ず体はどこかしら不自由になる。その時に、こんな面白味もなくて、できれば入りたくないと思ってしまうような建物しかないのはイヤだ。
"住んでいるだけでわくわくしてくる家"を、めざし続けてきた戸田にとって、そこで人が暮らす以上、家も施設も同じことです。まして、体が不自由で出歩くことが困難なら、より素敵な、夢のある建物にしなくては。その思いをこめた戸田の企画は、オーナーの心を揺さぶり、TODAはあるグループホームの建設を任されることになりました。
TODAにとっては新しい分野への挑戦。しかし、ベースにあるものはいつもと同じ、"人が人らしく、夢を持って生きられる建物をつくる"。それだけです。福祉や障害者問題のスペシャリストではありませんが、一人の生身の人間としての感覚を大切に、真剣に楽しく、この課題に取り組んでいきたいと思っています。